施工の種類

炉の施工方法は、さまざまにあります。炉の設計によって、必要とされる技術もさまざまです。
ここでは、「炉」をつくる基本的な情報として、耐火物の種類から説明します。

定形耐火物であるレンガによる施工

築炉は、炉の内側の高温部分を耐火物で構築する作業であり、炉の素材といえば、耐火レンガが主なものです。
そしてまた、築炉作業で使われる耐火物中で、最も高度な技能を必要とするのが耐火レンガになります。焼成されて造られるので、寸法誤差が生じやすいレンガを加工し、設計図通りに積み上げていく技術が求められます。

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レンガによる施工

不定形耐火物による施工

不定形耐火物とは、耐火レンガのような一定の形状がなく、精選された原料を調合した炉材です。
現場で水を加えて練り、コンクリートと同じように施工できる粉末状の「キャスタブル耐火物」と、工場においてすでに調合混練されていて、粘土のようにそのまま施工できる「プラスチック耐火物」とに大別できます。

1、キャスタブル
①流し込み施工
②塗り込み施工
③吹付施工
④キャスタブルブロックによるプレハブ施工

2、プラスティック
①ランマーというエアーツールを使用し、打設する方法
②特殊な吹付機を使用する方法

3、その他
①パッチング施工法
②ラミング施工法
③圧入施工法
④溶射施工法

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キャスタブル耐火物による施工

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キャスタブル耐火物の吹付け施工

繊維質耐火物による施工

繊維質耐火物は、セラミックファイバーともいいます。高温で溶かした耐火物を繊維状にして、それを綿状、マット状、板状、ロープ状などに加工したものです。材質や形状は、さまざまです。

①ペーパーライニング工法
鉄皮にピンを溶接しブランケットを積層します
②スタックライニング工法
カットしたセラミックファイバーを鉄皮に積層します
③ブロックライニング工法
ブランケットではなく、ブロック状の物を鉄皮に固定します
④べニアリング工法
炉内耐火物の表面にセラミックファイバーを張り付けます
⑤スプレライニング工法
セラミックファイバーバルクと接着剤を混合した物を吹付けます
⑥タッピング工法
⑤の材料をコテ塗りします

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セラミックファイバーブロックライニング工法

参考資料「築炉技能バンドブック」(日本築炉教会)