「築炉」とは?
いつの時代にも、社会に欠かせない「炉」
さまざまなものに熱を加えて溶解したり、焼却したりするための装置を「炉」といいます。その炉を建設することが、「築炉」です。
炉は、金属の溶解や加工などに多く用いられてきました。製鉄所において、鉄鉱石から銑鉄を取り出すための炉を「高炉」と呼び、日本では江戸時代後期に高炉の設計・建築に成功し、近代的な製鉄が始まりました。歴史的には、紀元前の中国に、溶鉱炉があったことがわかっています。
人類は、炉によって高熱で焼いてものを製造することを発見し、陶磁器やレンガなどの焼成、金属の溶解などを行ってきたのです。いつの時代にも、ものづくりに「炉」は欠かせないものでした。
そして、環境を守るための「炉」
「炉」といえば、製造業で使われるものいうイメージがありますが、近年では、「焼却炉」が重要な存在になっています。
豊かになった社会のもうひとつの面である廃棄物処理。可燃性の廃棄物を焼却し減容化するため、「炉」が大切な役割を担っています。一般廃棄物だけでなく、産業廃棄物なども適切に処理することで、環境を守り、快適な生活や社会を実現しています。
「炉」を築き、「炉」をメンテナンスする
「炉」は、レンガなど高熱に耐えうる「耐火物」を使って構築します。近年では、定形品であるレンガのほかに、自由な形に成形できる不定形品も多く使用されています。
「炉」は、さまざまな工場や焼却施設などで設計され、その図面に基いて築炉工事を行います。ひとつひとつがオリジナルで、同じものはありません。
そして、「炉」を作る仕事のほかに、「炉」の修復作業があります。「炉」は、安全のためにもメンテナンスが欠かせません。「炉」の数だけメンテナンスの仕事があるといっても過言ではないでしょう。